3ポートの方向性結合器を使った進行波電力測定を例に説明します。

アプリケーション

方向性結合器は入力ポートから入力される進行波の電力を測定する場合に使用されます。
例えば、下の図のように、RF信号発生器とアンテナを接続して電波を送信するときの電力のモニターがあります。
この例にて、方向性結合器を説明します。

図

方向性結合器の主な仕様として、結合度(Coupling) : C (dB)、方向性(Directivity) : D(dB)があります。
結合度は、入力ポートから入力される進行波電力 Pf (dBm)と、結合ポートから出力される進行波モニター電力 Pmf (dBm)の比になります。

進行波電力 Pf (dBm)と進行波モニター電力 Pmf (dBm) の関係を式で表すと、Pmf (dBm) = Pf (dBm) – C (dB) となります。
方向性は、入力ポートと出力ポートのそれぞれから入力した電力の一部が結合ポートに出力される電力の比になります。

反射波電力Pr (dBm) と反射波モニター電力Pmr (dBm) の関係を式で表すと、Pmr (dBm) = Pr (dBm) – C (dB) – D(dB) となります。

具体的な例として、C = 10dB, D = 20dB の方向性結合器を使用して、Pf = 30dBm, Pr = 20dBmを測定した場合は、

Pmf = 30dBm – 10dB = 20dBm
Pmr = 20dBm – 10dB – 20dB = -10dBm

となり、Pmf とPmr の比は30dB (=1000倍)ですので、モニター電力としてはほぼ進行波成分のみが測定されることになります。

また、方向性結合器の仕様の1つである挿入損失も考慮する必要があります。
挿入損失は、入力ポートから入力された電力が出力ポートから出力されるときの減衰量になります。

※但し、これらの式は、理想的なものであり、実際の測定ではインピーダンスの不整合等の影響を受けます。

※詳細は弊社営業担当までお問合せ下さい。

システム構成・価格

シグナルアナライザ MSA500シリーズ¥748,000~
スペクトラムアナライザ MSA400シリーズ ¥498,000~

製品紹介

シグナルアナライザMSA500シリーズ

シグナルアナライザ MSA538

MSA500シリーズの中でもっともポピュラーなモデル
■測定周波数:20kHz~3.3GHz

シグナルアナライザ MSA538E

EMI測定機能搭載モデル
■測定周波数:20kHz~3.3GHz

シグナルアナライザ MSA538TG

トラッキングジェネレータ搭載モデル
■測定周波数:20kHz~3.3GHz

シグナルアナライザ MSA558

8.5GHz帯域により無線系情報通信のほとんどのアプリケーションをカバー
■測定周波数:20kHz~8.5GHz

シグナルアナライザ MSA558E

EMI測定機能搭載モデル
■測定周波数:20kHz~8.5GHz

シグナルアナライザMSA400シリーズ

[生産完了品]スペクトラムアナライザ MSA438TG

トラッキングジェネレータ搭載モデル
■測定周波数:50kHz~3.3GHz

スペクトラムアナライザ MSA438

MSA400シリーズの中でもっともポピュラーなモデル
■測定周波数:50kHz~3.3GHz

スペクトラムアナライザ MSA438E

EMI測定機能搭載モデル
■測定周波数:50kHz~3.3GHz

スペクトラムアナライザ MSA458

8.5GHz帯域により無線系情報通信のほとんどのアプリケーションをカバー
■測定周波数:50kHz~8.5GHz

お気軽にお問い合わせください

5Gの検証がしたい、電波暗箱をカスタマイズしたい、製品の修理が欲しい。
どんな小さなこともお気軽にお問い合わせください。