電波暗箱とスペアナを活用した標準アンテナ法によるアンテナゲイン測定方法をご紹介します。

アプリケーション

アンテナゲインを評価するには、通常、校正された標準アンテナや電波暗室が必要ですが、トラッキングジェネレータ付きスペアナと電波暗箱を用いることでシンプルに評価することができます。

  • 基準アンテナ(ゲインが既知のアンテナ)との比較によりEUTのゲインを求めます。
  • 測定環境としては放射パターン測定と同じく、電波暗室(電波暗箱)で行います。
  • 主にMHz帯ではダイポールやログペリアンテナ、GHz帯ではホーンアンテナを用います。

ソリューション

測定手順

  1. スペアナの中心周波数とスパンを測定したい帯域に合わせて設定します。
  2. トラッキングジェネレータ出力を基準アンテナ端で計測します。【図1】 結果を「A(dBm)」とします。
  3. 受信アンテナと基準アンテナ(Tx)を用意し、電波暗箱内に一定の距離をとって設置します。
  4. 電波暗箱の扉を閉め、測定を実行します。【図2】
    結果を「X(dBm)」とします。
  5. 基準アンテナ(Tx)を取り出し、同じ位置にEUTを設置します。
  6. 電波暗箱の扉を閉め、測定を実行します。【図3】
  7. EUTの最大放射方向が不明な場合はターンテーブルを回転させ、ピークゲインを探します。 結果を「Y(dBm)」とします。
  8. 以下の式よりEIRP EUT(dBm)を求めます。
    EIRP Tx(dBm)=A(dBm)+Gain Tx(dBi)
    EIRP EUT(dBm)=Y(dBm)-X(dBm)+EIRP Tx(dBm)
  9. 以下の式よりEUTのゲインを求めます。
    Gain EUT(dBi)=EIRP EUT(dBm)-EUT送信電力(dBm)

※EIRP:等価等方放射電力
※EUTのアンテナが一体型の場合等において、EUT送信電力とゲインが分離できないときは、EIRPが最終結果となります。

図1
図2
図3

システム構成・価格

電波暗箱(電動ターンテーブル付き)¥1,470,000~※NY1530+MT107(MYA75)の場合
アンテナ(基準および受信)お問い合わせください※ダイポール、ホーン、ログペリアンテナなど
スペクトラムアナライザ(トラッキングジェネレータ付き)¥698,000~※MSA438TGの場合
その他、ケーブル・スタンド・オプション各種お問い合わせください 

上記表示価格には、消費税は含まれておりません。
周波数、EUTサイズ等によって構成が変わります。製品の詳細については、弊社営業担当までお気軽にお問合せください。

製品紹介

電波暗箱/シールドボックス

計測器メーカーが作る電波暗箱・シールドボックス。お客様の多様なニーズに対応していろいろなモデルの電波暗箱・シールドボックスをラインアップしました。また、お客様の要望に合わせてカスタマイズも行います。

シグナルアナライザ MSA538TG

トラッキングジェネレータ搭載モデル
■測定周波数:20kHz~3.3GHz

[生産完了品]スペクトラムアナライザ MSA438TG

トラッキングジェネレータ搭載モデル
■測定周波数:50kHz~3.3GHz

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5Gの検証がしたい、電波暗箱をカスタマイズしたい、製品の修理が欲しい。
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