高速プログラマブルアッテネータの応用

ワイヤレス通信の電波は、エアーを通過する間にいろいろな変化を生じます。その変化に対してワイヤレス通信機器 が正しく作動するか、あるいはどのような振舞いをするかを十分検討する必要があります。

高速プログラマブルアッテネータMAT800は、電波のエ アーでの変化をシミュレートするのに最適な機器で、 エアーシ ミュレータ と呼べるかもしれません。以下に従来型アッテネータとの違いと特長、および2つのアプリケーションを示して 説明します。

1.従来型アッテネータとの違いと特長

項目従来型アッテネータMAT800備考
切替方式機械式電子式 
切替速度10~20ms/点2μs/点時間分解能の大幅アップ
減衰ステップ1dB程度0.05dBパワー分解能の大幅アップ
切替時スパイク図-波
スパイク:有り
図-波
スパイク:無し
スパイクがあると通信エラーを起す
プログラムメモリ無し128kワード内蔵エアーの状況を記憶します
メモリ読み出し無し
  • FREE、BURST、GATE
  • 読出しトリガ
  • 内部/外部読出しクロック
  • プログラム休止期間
多彩なメモリ 読出し機能
減衰量プログラム
作成ソフト
無しWindows PC上で任意波形作成と
同じように簡単に作成できる
ソフトは標準装備

2.アプリケーション

ETC/DSRCの動的動作試験

ETC(有料道路自動料金収受システム)および DSRC(狭域通信)では、ARIB に動的動作試験を行うように定められ ています。この試験はゲートに設置された路側機(基地局)と車載器との間の実動作をシミュレートするものです。 代表的な電力プロファイルである「高速走行・実パターンA」を次図に示します。電力プロフィルはエアー中の電波の 状態を示しています。

ETC/DSRCの動的動作試験

MAT800を使った接続図を下図に示します。

MAT800を使った接続図

移動体通信機器のハンドオーバー試験

携帯電話などの移動体通信機器では、基地高から隣の基地局へ伝達経路が切り替わる(ハンドオーバー)時伝達が途切れることなく行わなければなりません。

このハンドオーバー試験を2台のMAT800を使ってシミュレートすることができます。

イメージ図:移動体通信機器のハンドオーバー試験

携帯電話は、基地局Aから遠ざかっていきますので、受信電波は徐々に弱まり、逆に基地局Bでは徐々に強まりま す。また、途中で電波を遮る障害物があるかもしれません。この様子を下図に示します。

イメージ図:移動体通信機器のハンドオーバー試験

MAT800を使った接続図を下図に示します。

MAT800を使った接続図

製品ラインアップ

高速プログラマブルアッテネータ MAT800シリーズ

最大減衰量80dB。超高速で減衰量を制御する事が出来る多機能な本格的プログラマブル機能。

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