伝導エミッションのプリコンプライアンステストにおいて、LISN(擬似電源回路網)の一次側電源の選定は見落としがちです。

アプリケーション

昨今、EMC試験の一つである、雑音端子電圧(伝導EMI)測定のプリコンプライアンステストの需要が高まっています。
当社では2015年に『伝導性EMI試験システム MR2150』を発売以来、様々なプリコンプライアンスソリューションを提供して参りました。
本事例では、DUTの電源供給源となる、LISNの一次側電源の選定について、2つのアプローチを紹介いたします。

  • ノイズカットトランスを使用する。
    100Vコンセントより電源供給するため、入出力は1:1となります(100V固定)。 ※200V品や100V/200V切替式も存在します。
    メリット:安価  デメリット:電圧が固定となる
  • 交流電源(リニアアンプ方式)を使用する。
    出力電圧は0~300V可変となるため、様々な電源電圧に対応することができます。
    ※PWM(スイッチング)方式の交流電源は出力電圧にスイッチングノイズが重畳するため使用できません。
    メリット:出力電圧可変  デメリット:高価。効率が悪い

ソリューション

測定イメージ図
  • ノイズカットトランス ノイズ遮断特性
    ノーマルモード(50kHz-100MHz):-30dB以下
    コモンモード(DC-100MHz):-40dB以下
  • 交流電源(リニアアンプ方式)
    (株)計測技術研究所 製 6700シリーズ
    ダイオード整流方式のため、超低ノイズ
6700シリーズ プログラマブルリニア交流電源

ノイズカットトランスや交流電源を使用すると、LISNの一次側に流入するノイズを気にすることなく測定できます。
測定システムの周辺に動力設備等が存在する場合、アースに電流が流れ、接地抵抗により電圧が発生し、コモンモードノイズが発生します。このコモンモードノイズがLISNの一次側から測定系に重畳し、測定に悪影響を及ぼします。ノイズカットトランスや交流電源を用いることで、コモンモードノイズを遮断し、DUT本来のノイズを正しく計測することができます。
また、LISN(擬似電源回路網)の漏洩電流により、漏電ブレーカを作動させてしまうことを防げます。

下記グラフは、同一の測定系で、LISNの一次側をノイズカットトランスと交流電源を入れ替えて測定したものです。
交流電源 6700シリーズは、ノイズカットトランスと同等の低ノイズ特性であることが分かります。

負荷接続時
無負荷時

システム構成・価格

伝導性EMI試験システム MR2150

正規EMCサイトで行う本試験の前に本システムを使ってデバッグ評価をすることで、開発コストを大幅に削減

伝導性EMI試験システム MR2150¥ 1,307,000~※スペアナ(MSA538E)、PCソフト(MAS530)、LISN(MPW201B)を含む
ノイズカットトランスお問い合わせください※1.5KVA標準(100V/15A)
交流電源 6700シリーズお問い合わせください※0.5KVA~5KVAまで対応

上記表示価格には、消費税は含まれておりません。製品の詳細については、弊社営業担当までお気軽にお問合せください。

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5Gの検証がしたい、電波暗箱をカスタマイズしたい、製品の修理が欲しい。
どんな小さなこともお気軽にお問い合わせください。

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