ETC車載器を利用した車両入退場管理をDSRC路側システムME9300で運用するまでの事前準備

アプリケーション

DSRC路側システムME9300は、高速道路で使われているETCを利用したシステムです。車両に搭載されたETC車載器と通信を行い、WCN(Wireless Call Number)と呼ばれる車載器固有のIDを取得します。このWCNを活用することで、例えば車両入退場管理の自動化へ応用できます。

ME9301(DSRCアンテナ)が取得したWCNは、ME9303(専用I/Fケーブル)を介してME9302(インタフェースボックス)へ送信されます。ME9302はDIO(デジタル入出力)及びWCN登録機能を備えているため、車両の検知や登録済みWCNとの照合、ゲートバー等の制御が外部機器から独立して実行可能となります。なお、これらのシステム動作(シナリオ)及びWCNは、アプリケーションソフトウェアMAS930を使用して、事前に登録することができます。

ここでは、車両入退場管理システム仕様(接続機器仕様)の一例を基に、ME9300による運用までの事前準備を示します。

車両入退場管理システム仕様(接続機器仕様)一例

接続機器及びDI/DO※1使用例
ゲートバー※2OPEN状態DIバーが完全OPEN時にハイレベル
CLOSE状態DIバーが完全CLOSE時にハイレベル
OPEN信号DO立ち上がりパルス(約1秒ON)でバーがOPEN
CLOSE信号DO立ち下がりパルス(約1秒OFF)でバーがCLOSE
ループアンテナADI車両検知時にハイレベル(WCN取得開始)
BDI車両検知時にハイレベル(A→B通過後、バーCLOSE)
出庫回転灯DOON時に点灯(ループアンテナB通過中に点灯)
カメラDO立ち上がりパルス(約0.5秒ON)でカメラ撮影
(ループアンテナA通過時に撮影)
STOP警告灯DOOFF時に点灯(WCN取得不可/不一致、バーCLOSE不可時に点灯)
ゲートバーOPEN指令DIハイレベル時にバーを常時OPEN(ローレベル時に通常運転)

※1 ME9302側基準でDIOを定義
※2 検知センサー内蔵とし、検知中はバーCLOSE不可

車両入退場管理システム仕様

ソリューション

システム動作(シナリオ)の作成・登録

ME9302と、MAS930がインストールされたPCを、LANまたはRS-232Cで接続しMAS930を起動します。接続の設定後、[接続]にてメイン画面に移ります。

DIO設定

メイン画面から[シナリオエディタ]→[DIO設定]と進み、下図のように入力します。

DIO設定画面

シナリオエディタ

DIO設定後、システム動作を[シナリオエディタ]にて作成・登録します。
車両の検知からWCN取得開始、照合、バーOPEN/CLOSEなどの一連の動作や、警告時の処理など、シナリオ1(開始シナリオ)~シナリオ11で構成されます。(ここでは一例として、シナリオ6を抜粋)

シナリオエディタ画面(シナリオ6を抜粋)

【シナリオ6概要】
  • OPEN指令稼働の場合、バーOPEN処理へ(シナリオ7へ)
  • WCN取得、照合OKの場合、バーOPEN処理へ(シナリオ7へ)
  • WCN取得不可、不一致の場合、STOP警告灯を稼働しシナリオ2へ戻る

WCNの登録

メイン画面から[単一WCNの照会・登録・削除]もしくは、[一括WCNの出力・登録・削除]へ進み、通行を許可するWCNを事前登録します。
本システムで取得した最新のWCNを登録することもできます。

単一WCNの照会・登録・削除画面

設置後の仮運用

ME9301及びループアンテナの設置位置、車両の速度、ゲートバーの開閉所要時間等を十分考慮した上でシナリオを作成し、必ず仮運用による動作試験を行ってください。
※ME9302を外部機器(PC等)と接続することで、取得したWCNを転送することもできます。

システム構成・価格

構成例

DSRC路側システム ME9300 ¥ 387,600~
DSRCアンテナ ME9301
インタフェースボックス ME9302
専用I/Fケーブル(15m) ME9303

専用I/FケーブルME9303の最長100m時は 435,000円になります。
ゲートバー、カメラ、警告ランプ等の接続機器及び、設置・運用に関わる価格は、本構成に含まれておりません。

※詳細は別途 弊社営業担当までお問合せ下さい。

※仕様・形状は、事前の断りなしに変更されることがあります。※表示価格は全て税抜きです。

製品紹介

DSRC路側システム ME9300

高速道路で使われているETCを民間に活用したシステム。
ETC車載器固有のWCNを読み取り、いろいろなアプリケーションに利用可能。

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