磁界プローブ MMP500

9kHzの低周波までの伝導性妨害ノイズ(雑音端子電圧)測定が可能。パワーエレクトロニクス機器の測定に最適。
MMP500とシグナルアナライザMSA538E/MSA558Eとでこの伝導性妨害ノイズを手軽に測定することができます。

¥155,000

製品説明

伝導性妨害ノイズ試験を行うには、LISN(ラインインピーダンス安定化回路網)を使います。 しかし、この試験をもっと手軽に行えないか、あるいはノイズ発生源をも特定できないかという要望をもとに磁界プローブMMP500が誕生しました。
MMP500は地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターとの共同開発で生まれました。

東京都立産業技術研究センターの都産技研活用事例集に掲載されています。

特長

パワーエレクトロニクス機器の測定に最適

本測定システムを用いて、電源ラインの伝導性妨害ノイズを電気的に非接触で測定できます。更に、基板上の妨害ノイズも非接触で測定することができます。 自動車産業などのパワーエレクトロニクス機器の測定に最適。

プリコンプライアンス伝導性妨害ノイズ測定

  • 実験室や屋外で本システムを使って問題点の解決ができます。 時間と費用の節約になります。
  • シグナルアナライザMSA538E/558Eは電池動作(動作時間4時間)ができますので、AC電源は不要です。
  • ノイズ対策前後の相対評価に最適。

磁界プローブMMP500とシグナルアナライザだけの簡単なシステム

磁界プローブMMP500とシグナルアナライザMSA538E/558Eシリーズだけの簡単なシステムでレベルが校正された伝導性妨害ノイズを測定できます。但し、測定周波数下限値は20kHzです。

様々な電流に対応

大電流あるいはDC電流やAC電流にも対応できます。

3つの検波モード

本システムは、PosPK(ポジティブピーク)、QP(準ピーク)、AV(平均)の3つの検波モードを備えています。

伝導性妨害ノイズの測定

以下は、DUT(被測定物)として電源ラインの伝導性妨害ノイズを測定する例です。 出来るだけ電源ラインに垂直に、且つプローブのマーカを電源ラインに合わせる、更に電源ラインに接触させて測定します。 これは、下記に説明する回転感度と距離感度に影響するからです。 本測定例では、電源ラインの被覆の厚さが距離感度に効いてきます。被覆の厚さを0.5mmとすると、距離感度は2.5dB/mmですので、妨害ノイズは1.25dB減衰されて測定されます。

  • REF: 基準レベル。REFを下げると、平均ノイズレベルと限度値の差を大きく取れます。
  • RBW: 分解能帯域幅。
  • VBW: ビデオフィルタ帯域。VBWを使用することにより、平均ノイズレベルが下がるので、測定ダイミックレンジが広がります。
  • MaxHold: 最大値保持機能。MaxHoldを使用することにより、間欠的に発生するノイズを捕らえることができます。

【図1】全測定帯域 [PosPK検波]

全測定帯域でノイズの発生状況を把握します。

設定項目設定値
REF110dBμV
RBW120kHz
VBW10kHz
MaxHold32回

【図2】962kHzノイズ [AV検波]

PosPKで限度値を超えた70.7MHzノイズのQP検波値を測定します。

設定項目設定値
REF90dBμV
RBW120kHz
VBW10kHz
MaxHoldオフ

規格の例

周波数限度値RBW
9~50kHz110dBμV300Hz(6dB)
50~150kHz90~80 dBμV
150~500kHz66~56 dBμV9kHz(6dB)
0.5~5MHz56 dBμV
5~30MHz60 dBμV
30~100MHz64~54 dBμV120kHz(6dB)

回転感度

プローブのマーカ位置が0°です。0~±30°の範囲で約±1dBの誤差が生じます。

距離感度

プローブが電源ラインから離れると妨害ノイズのレベルは減衰します。 「約2.5dB/mm @1~2mm、約6.8dB @3mm、約8.5dB@4mm」です。

レベル校正法

50Ωマイクロストリップライン法でレベルは校正されます。 磁界プローブのマーカを50Ωマイクロストリップラインに合わせ、且つ接触させてレベルを測定します。

  • レベル校正点:10点(校正点以外の周波数では直線補間されます)
  • 2種類の校正係数
  1. 校正係数代表値
    シグナルアナライザMSA538E/558Eには校正係数の代表値(“MMP500”を選択)がインストールされています。通常、この設定で使用できます。
  2. MMP500に添付された校正係数
    MMP500に添付された校正係数をコマンドを使ってPCから入力し、MSA538E/558Eの“USER B”にインストールします。これを使用する時は、“USER B”を選択します。より正確な測定値を得ることができます。

シグナルアナライザMSA538E/558EでMMP500の周波数特性が校正されており、画面では正しい測定値を観測することができます。

※MSA538E/558E以外のスペクトラムアナライザを使用する時は、添付された校正係数を基に測定されたレベルを校正して下さい。

シグナルアナライザの使用法

1.MMP500による測定の選択MSA538E/558Eのファンクションキーで“MMP500による磁界測定”を選択します。

  • MEAS:メジャリング機能
  • MFS:磁界強度測定
  • PROBE :プローブ選択
  • CP-2SA: 10MHz~3GHz磁界プローブ
  • MMP500 :9kHz~100MHz磁界プローブ
  • USER:CP-2SAの校正係数
  • USER B: MP500の校正係数

2.規格の限度線が平均ノイズレベルに近い場合は、REFを下げて使用します。

仕様

測定周波数範囲9kHz~100MHz(20kHz~100MHz@MSA538E/558E)
最大測定レベル119dBμV
解析・表示機器MSA538E及びMSA558E
  • 検波方式 PosPK(ポジティブピーク)、QP(準ピーク)、AV(平均)検波
  • 分解能帯域幅 300Hz(3dB) @9~150kHz 9kHz(6dB) @0.15~30MHz 120kHz(6dB) @30~100MHz
  • QP検波時定数
    RBW 300Hz 9kHz 120kHz
    時定数
    充電 1ms 1ms
    放電 160ms 550ms

注意

RBW=300Hz:3dB帯域幅かつPosPK(ポジティブピーク)のみ

レベル校正法50Ωマイクロストリップライン法
回転感度0°(マーカ位置)からの偏差 約±1.2dB@0~±30°
距離感度マイクロストリップラインからの距離減衰(検出部面基準) 約2.5dB/mm @1~2mm、約6.8dB @3mm、約8.5dB@4mm
動作温度0~50℃(性能保証は23±10℃)
動作湿度40℃/80%RH以下(性能保証は33℃/70%RH以下)
保存温度-20~50℃
大きさ14.5Φ×140mm(プローブ部)@突起物含まず 10.5Φmm(検出部) 全長:約1.2m
重さ約70g(ケーブル含む)
標準付属品収納ケース、変換アダプタMA306、校正係数データ、取扱説明書
オプション
  • PCソフトウェアMAS500
  • ロギングソフトウェアMAS510
  • EMI用PCソフトウェアMAS530
価格155,000円
収納ケース

磁界プローブ MMP500の操作方法

ソフトウェア(オプション)

PCソフトウェアMAS500

シグナルアナライザをPCから制御し、スペクトル波形を表示するソフトウェアです。 【Measuring function】の【M/F Probe】にて【MP500】 又は【USER B】を選択することができ、測定結果はPC画面で確認及び保存ができます。

ロギングソフトウェアMAS510

無人監視で測定データをロギングするPCソフトウェアです。夜間の異常信号監視や長時間の無人データ記録に最適です。

EMI用PCソフトウェアMAS530

伝導性妨害ノイズ試験で使用するソフトウェアです。周波数軸は対数表示もできます。 関連商品に記載されている「伝導性EMI試験システムMR2150」で使われています。

関連製品

シグナルアナライザ MSA538E

EMI測定機能搭載モデル
■測定周波数:20kHz~3.3GHz

ラインインピーダンス安定化回路網(LISN) MPW201B

限られたスペースで簡単に試験環境を構築が可能。LISNを電源ラインに挿入することによって、EUTからみた電源ラインのインピーダンスを一定にする。

伝導性EMI試験システム MR2150

正規EMCサイトで行う本試験の前に本システムを使ってデバッグ評価をすることで、開発コストを大幅に削減

電源ラインノイズ監視設備

電気的に非接触で測定が出来る弊社磁界プローブの特性を生かし、スペクトラムアナライザとロギングソフトを組合せた監視設備で各種二次側電源ラインのノイズ監視を行います。

関連資料

製品カタログ

磁界プローブ MMP500
ダイジェストカタログ

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