電源ラインノイズ監視設備
電気的に非接触で測定が出来る弊社磁界プローブの特性を生かし、スペクトラムアナライザとロギングソフトを組合せた監視設備で各種二次側電源ラインのノイズ監視を行います。
電源ラインノイズ監視設備
通常のテナントビルや工場内の各電源コンセントの多くは、単独での電気系統は持たず、分電盤ー各設備間には不特定多数の負荷設備が接続される形になります。電子機器/設備電気を使用する場合、二次側から発生したノイズが当該経路を辿って他の電気設備や家電品に影響を及ぼす場合もあります。仮に老朽化が進んだ特に剥き出しの電源ラインであれば、劣化の具合によってはアンテナ化を生じ、不要なノイズ成分を増幅させてしまったり、或いはコネクタの接触部から妨害ノイズを引き込んでしまったりと、思いもよらないトラブルを誘発する起因にもなります。また、人の多さなど、所謂負荷装置が多い少ないという状態でのノイズ量の変動によっても、電波障害によるトラブル発生頻度が変化する場合もあります。
こうした状態変化を監視しようとした場合、突発的に生じるノイズ成分を可視化することが肝要です。 定期的な発生頻度、或いは障害場所の二次側電源ラインの環境など、状態の変化を把握し易くすることで、再発の対策、設備レイアウトの改善など、より多くの方向性を見出す切欠にもなり得ます。
従来よりこれら電源ラインのノイズ監視設備は数多くあり、様々なフィールドで活躍されてます。弊社ハンドヘルド型スペクトラムアナライザも、伝導性及び放射性ノイズ対策の両方面に幅広い形で採用されております。スペクトラムアナライザを用いた監視設備の大きな特長の一つに、広帯域での周波数監視を可能にするというメリットがあります。瞬間的なノイズの捕捉はもとより、ノイズ発生時の周波数成分の状態が記録出来るという特性を持ちます。これらの特性をPCを用いたロギングソフトと組合わせた形で、違法ノイズ源監視の無人測定、衛星波受信の常時監視など、主にエアー測定の分野で実績を積み上げて参りましたが、今回 ここに磁界プローブ MMP500をセットアップすることによって、より簡便な形で電源ラインノイズの常時監視にも対応させることが出来るようになりました。 電気的に非接触で測定出来る当該プローブの特性を従来のノイズ監視設備に組入れた形です。また、MMP500は当社製スペアナに限らず、既にお持ちの他社製スペアナと組み合わせても使用できます。
主な機器構成と測定までの流れ
本システムは、主にハンディ型スペクトラムアナライザ/シグナルアナライザ、磁界プローブ、測定用PC、ロギングソフトウェアで構成されます。 システム機器の構成から実際の測定までの流れは次の通りです。
1. ハンディ型スペクトラムアナライザ/シグナルアナライザ、 磁界プローブ
アナライザと磁界プローブを接続します。
※ 本体同士の接続手順はこちらをご覧ください。 (設定手順は動画内容と異なります。)
※ 磁界プローブの校正係数を出荷時に添付しています。他社製スペアナとの組み合わせ時には補正が必要です。
2. 測定用PC、ロギングソフトウェア
設置場所を考慮し、適当な測定用PCを準備します。 当該PCにロギングソフトウェアをインストールします。
3. セットアップ
1,2の設定まで終わったら、次に実際にロギングソフトを起動し、波形の確認をした上で測定の準備を行います。 測定は当該ソフトの記録モードで行います。この際に専用のドングルキーをPCに挿した状態にする必要がありますのでご注意下さい。
予め対象周波数範囲が決まっている場合は、ロギングソフトで適当な周波数を範囲指定した上で、必要なパラメータを設定します。記録時間は測定用PCのHDD残量に依存します。 測定間隔と閾値設定などを考慮された上で、適切なHDD容量を準備して下さい。
最初に、短時間設定のテスト測定(任意)から行い、動作を確認をした後で本測定にシフトする流れをお奨めします。
磁界プローブは固定する必要があります。 次の動画を参考に、ターゲットとなる電源ラインに磁界プローブの矢印を合わせて固定します (±の方向性は問いません)。
磁界プローブを固定したら、実際に、ロギングソフトの記録モード画面からテスト測定を行います。 特に問題が無いようであれば、本測定を開始します。
4. 測定
ロギングソフト(各パラメータ設定後) → データの保存先を指定したら、記録モード画面選択 → [ REC ] ボタンを押すと、測定を開始します。
5. 再生
ロギングソフト→ 保存データを読み出したら、再生モード画面選択 → [ トラックバー] と[ 操作ボタン ]を使って、再生を開始します。
導入ご検討に際して
電源ラインノイズ監視設備システムは、幅広い形で、測定環境のカスタマイズに対応いたします。
測定イメージを確認したいなど、弊社営業員までご用命ください。
MMP500の関連資料
関連製品
磁界プローブ MMP500
9kHzの低周波までの伝導性妨害ノイズ(雑音端子電圧)測定が可能。パワーエレクトロニクス機器の測定に最適。
MMP500とシグナルアナライザMSA538E/MSA558Eとでこの伝導性妨害ノイズを手軽に測定することができます。
シグナルアナライザ MSA538E
EMI測定機能搭載モデル
■測定周波数:20kHz~3.3GHz
シグナルアナライザ MSA558E
EMI測定機能搭載モデル
■測定周波数:20kHz~8.5GHz
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