一般的な単位の概要と雑音(ノイズ)の算出方法

アプリケーション

電波に関する資料や無線通信機器の仕様書を見るといろいろな単位が出てきます。

ここでは当社のスペクトラムアナライザ(MSA300/400シリーズ)で設定可能な単位と、ノイズ測定時の単位について説明します。

ソリューション

MSA300/400シリーズで設定可能な単位

MSA300/400シリーズで設定可能な単位は、dBm、dBμV、dBmV、dBV、dBμV/m、dBμA/mの6つになります。
(dBμV/mはメジャリング機能の電界強度測定、dBμA/mはメジャリング機能の磁界強度測定でのみ使用できます)

dBmの概要について簡単に説明すると、1[mW]の電力を基準とするデシベル表現のことを指し、1[mW]が0[dBm]に相当します。

  • [dBm]を[mW]から求める場合は、電力[dBm] = 10Log ( 換算する電力[W] / 1[mW] )
  • [mW]を[dBm]から求める場合は、電力[mW] = 10^ ( ( 換算する電力[dBm] / 10 ) – 3 )

また、dBmからその他の単位への換算式は以下のようになります。(インピーダンス50Ω時)

単位換算式用途備考
dBμV[dBμV] = 換算する電力[dBm] + 107電力測定 
dBmV[dBmV] = 換算する電力[dBm] + 47電力測定 
dBV[dBV] = 換算する電力[dBm] – 13電力測定 
dBμV/m[dBμV/m] = 換算する電力 [dBm] + 20log { 2π/λ・SQRT ( 2.4/Gar ) } + 107電界強度測定λ:波長[m]、Gar:アンテナ絶対利得[倍]
dBμA/m[dBμA/m] = 換算する電力[dBm] + F + 107磁界強度測定F:プローブ校正係数[dB]当社オプションの磁界プローブ(CP-2SA)では
  • 10MHz : 86.7dB
  • 100MHz : 69.2dB
  • 1000MHz : 50.7dB
  • 2000MHz : 44.7dB
  • 3000MHz : 40.1dB
となります。

ノイズ測定時の単位について

MSA300/400シリーズでは雑音測定の機能は用意されていませんが、簡単な計算を行うことで求めることが出来ます。

単位換算式備考
dBc/HzL(fm)[dBc/Hz] = Pn(fm) – Pc – 10log(RBW×1.2) + 2.5Pn(fm):オフセット周波数 fm のRBW幅雑音電力 [dBm]
Pc : キャリアの電力 [dBm]

スペクトラムアナライザで雑音電力を測定する場合には、原理上、補正を行う必要があります。MSA300/400シリーズの分解能帯域幅(RBW)フィルタは掃引を素早く行えるように設計されているため、等価雑音帯域幅に換算、補正する必要があり、約20%広くしています。
さらに、検波器とその前にログアンプを備えているのでMSA300/400シリーズの場合は約2.5dBの加算を行う必要があります。以上をまとめると、1Hzに換算した雑音電力を求める計算式は、
L(fm)[dBc/Hz] = Pn(fm) – Pc – 10log(RBW×1.2) + 2.5 となります。

雑音の測定に必要な設定値の関係

製品紹介

スペクトラムアナライザ MSA400シリーズ

スペクトラムアナライザ MSA438

MSA400シリーズの中でもっともポピュラーなモデル
■測定周波数:50kHz~3.3GHz

スペクトラムアナライザ MSA438E

EMI測定機能搭載モデル
■測定周波数:50kHz~3.3GHz

スペクトラムアナライザ MSA438TG

トラッキングジェネレータ搭載モデル
■測定周波数:50kHz~3.3GHz

スペクトラムアナライザ MSA458

8.5GHz帯域により無線系情報通信のほとんどのアプリケーションをカバー
■測定周波数:50kHz~8.5GHz

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